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中小企業にとってのISO9000s取得の意義
日経メカニカル
Part.1 中小企業にとってのISO9000s取得の意義
1.この不況どう生き抜くか

 ISO9001取得の取り組みを述べる前に、中小企業を取り巻くこの厳しい状況のなかで、どうこれを打開し、対応していけば良いかを考えてみたい。

 これまで企業が発注の際に調達先の選定基準とした要件は、@発注する製品の仕様を満足する加工技術と設備A価格が安いB納期が安定しているC優秀な人材と、作業環境が整っているD安定した経営基盤などに集約できる。つまり、発注企業と取引先企業との安定的な関係を目指し、縦の関係の中での継続的取引ができるということにウエートが置かれていた。ところが近年、これらの選定項目に加えて自立的な経営と、品質マネジメントシステムを導入しているかどうかがクローズアップされてきた。

 大手発注元のリストラが進み、取引先にも大きな影響が出ている。金融界に見られる貸し渋りから貸しはがしと同様の厳しい突き放し構図が見られる。すなわち、今まで言われていたように、ISO9000sを取得している企業に仕事が集中する状況が更に進み、「未取得」であると言う事がその下請を切り捨てる為の言い訳にも使われている。競争関係にある下請企業の品質・納期・設備・技術の格差がなくなりつつある現在、いかにして優位に立つかは非常に難しい。いきおい、短納期受注や受注獲得の為に原価無視のコストダウン競争にのめり込む事になってしまう。
2.必ず復活する為に今求められる最重要テーマ


 大手企業が必死で進めている不採算部門の統廃合、人員の削減、業務革新が猛烈な勢いで突き進みつつある中で、下請にとっても同様な改革が迫られている。

 円高により海外移転した事業が予定通り立ち上がらず、結局は今までの取引先に発注が戻り、一安心した経験を持つ下請企業は多い。しかし、既存の取引先に発注が優先したり、地元の企業が今後も受注を確保できるという甘えの構図は考えられない。世界から見れば特異な事と見られている発注企業と下請企業の関係も、系列や親子関係に近い緊密な取引関係は終止符が打たれようとしている。グローバル企業が世界を相手に取引で実践している事が、国内での取引でも常識になりつつある。また、調達企業を品質や経営内容に応じて格付けしたり、継続取引のガイドラインを作成したりしている。

 下請企業が早急に取り組むべきことは、ひたすら加工技術に頼るだけではなく、具体的な企業行動計画と自立する為の知恵と情報網を張る事。そして世界的に通用する品質・経営管理システムを整える事である。
3.中堅・中小企業にとっての取得意義


 効率的で広範例の調達活動の追求に対応して、自主的な品質保証体制の整備を進め、従来の取引関係に縛られない営業方針を打ち出す企業が増えている。ISO9000sの規格の導入は確実に企業の競争体質を向上させる。各社に共通しているのは品質マネジメントシステムを構築し、製品の開発設計・製造・納入までの品質保証を武器に、既存の取引先のみならず新規顧客の信頼を勝ち取ろうとしていることである。

 看板にするためISO9000sを取得するというような動機も見られない訳ではないが、競合他社が取得したから'ウチも'といった目的だけではその後の維持管理は苦労のみが増えることになる。品質さえ良ければ良いではないかという日本的品質管理に、システム的な透明性と持続性を要求するISOの管理手法は中小企業にとっては革新的である。透明性を、企業の持つノウハウを含め全てをオープンにすることと勘違いする人もいるが、外部(顧客)に自社の 管理システムの'正当性を積極的にアピール'すると言う事であり、'持続する'と同様に中小企業が不得手で改善したい点だ。

 ISO9000sの認証取得で、企業イメージのUPや具体的な受注引き合いの増加は見込めるが、やはり品質の安定、作業の標準化、業務の明確化を取得目的の第一義に据えたいものだ。だが、中堅・中小企業にとっての取得は大手企業とは違った意義も考えられる。ライバルに勝つための「非価格競争・勝ち残りの切り札」として、取得を考える中堅・中小企業は多い。認証に水戸黄門の印篭と同じ効果を期待するものだ。さらには'勝ち残り'から、企業として'生き残り'を賭け、同業他社を差別化し蹴落とし、21世紀に存続するためにISO9000sを取得しようとしている。「評論家やコンサルタントの言うような"きれいごと"ばかり言っていられないのが現実であり、はっきりいえばISO9000sを導入して、企業が儲かり発展しなければ苦労して取り組む意味はないのである。

 今回の不況は構造的であり、過去の場合と同じような対処の仕方で嵐の過ぎ去るのを待つわけにはいかないことを、中堅・中小企業の経営者は感じ取っている。企業の構造改革の為、ISOという 'ニガイ'薬を飲む時期だ。
4.甘い体質の改善


 "中堅・中小企業にとっての取得意義"に、「甘い体質の改善」を付け加えることを提案したい。生物学の研究成果は人間社会、企業や産業の経済学に反映され論じられることが多い。例えば、生物の行動を調べる研究の中でアリの社会と行動を調べた研究によると、アリの社会の中では'働きアリ'のう ち20%が良く働き、残りの80%はブラブラしているだけであまり働かない。これを「20と80の法則」と呼んでいる。企業という組織も生きて活動しているシステムと捉えれば、この法則が当てはまるのだそうである。20%の人が良く働き利益を出しているが、残りの人はそれなりの仕事しかしていない。しかも、殆どの人が自分は当然20%と思っている。甘い企業体質に'サボリアリ'が群がっている風景である。

 この「法則」はさらに、深刻で重大な問題を抱えている。観察者がアリの巣の造営を効率的にしようと、サボっているアリを排除して、よく働くアリの集団だけにすると、皆一生懸命働くのではなく、残った20%がまた20と80に別れてしまう。生物の営みにはそれなりの秘められた意味が存在するのかも知れない。話を企業の組織に戻すと、経営者はそんな暢気なことを言ってはいられない。何らかの改善手法で、80%の人にもせめて、平均的な働きをしてもらう仕掛けが必要となる。ISO9000sが要求する業務の流れの明確化・作業の標準化・責任範囲の明確化・管理方法の文書化・不適合の是正及び予防処置そして、教育・訓練。「これらがその仕掛けだ」と答えてもほぼ正解であろう。実際ISOに取り組み始めると、管理職をはじめ優秀な社員に入れ替わる企業が多く、あえて不況の時期に取得に取り組むメリットでもある。
5.世界標準を目指して


 世界にその品質を誇った日本の生産方式は、メタルカラーと呼ばれる現場作業者に大きく依存している。対するISO900sはトッブダウン的なシステム管理方法と文書化の維持が要求される。バブル後の構造転換が進まない日本に、グローバル・スタンダード(国際標準)という第二の黒船が来襲したわけだ。98年9月末の日本適合性認定協会の調査によれば、国内のISO9000sの取得件数は7,700社を超えた(表1)。

 月ごとの取得件数は急激に増加し、早期に10,000社の大台を突破するのは間違いない。大手企業の取得は取りあえず一段落したが、中堅・中小企業の認証取得はこれから本番を迎えるためである。

 建築・建設業界の2000年間題がある。官公庁の公的工事や国際入札ではISO9000sの取得が求められている。業界の仕事の流れを考えれば、大手ゼネコンだけでなく2次・3次下請企業の現実的な対応が急がれる。別の意味の2000年問題で、現在捌き切れないほどの仕事を抱えるコンピュータ/ソフト業界も、その後の淘汰の時代を睨んで認証取得の検討が始まっている。これらの動きは日本(特に中小企業)には標準化/国際化が、未だ根付いてはいない事を物語っている。

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