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プレス技術連載第15回
Q. 審査機関の評価
もうすぐ本審査を控えています。審査機関を選定する時から気になっていたのですが、熱心というか、非常に営業的です。ウチの経営者は、コンサルタントと表裏一体になったこの審査機関を評価して選んだのですが、当社の希望よりも審査をスムースにするためとしか考えられない指導がほとんどでした。用意されたコンサルプログラムも、パッケージされた規格品のようで、ただ機械的に文書を作らされました。他の審査機関を検討してみたこともありますが、契約できつく縛られているため、払い込んだ費用を諦めなくてはならず苦慮しています。審査機関は独立性が要求されていると聞いた事が有りますが、他の審査機関もこんなものなのでしょうか?審査機関を選ぶための評価基準や、モノサシは無いのですか?


藍田良雄: 
取得はしたが、審査機関の選択の誤りでISOの失敗を悩む企業が増えてきました。
【審査機関とコンサルの関係に疑問】
 相談者のような例は珍しくありません。ISO9001を取得し、もうすぐ3年目になるA社でも、更新を前に、審査機関のことで悩んでいると、こんな相談を受けました。
『登録した審査機関は外資系の審査機関ですが、この頃気になる噂を耳にするようになりました。ISOを取得した取引先の担当者から、当社が登録した審査機関のマーク入りの名刺を見て、「ココは今、JABからにらまれていますよ」などと忠告されたのです。たしかに、昨年も数件の審査機関の認定停止や、取消しがあったと聞きます。実際に当社に出入りしている企業は、登録機関の認定停止で、かなり迷惑を受けたといいます。どうしたらいいのでしょうか、対策を教えて下さい』
 A社を登録した審査機関は、JABの認定を受けている外資系の審査機関です。登録件数は日本国内でもトップクラスを誇っています。組織の規模も立派なものです。営業マンの教育もしっかりされていて、その流れるように滑らかな説明に感動して契約を結んだという、中小企業の経営者が何人もいるのです。特筆するのは、その組織をあげての営業戦略です。コンサルティングと審査機関とのパック商品を、まるで、保険のおばさんが戸別訪問するように、ローラー作戦で展開します。営業者はノルマで追い立てられ、自分の営業守備範囲のネタが尽きると辞めざるをえないといいます。この営業方法は、本国のアメリカンビジネスの合理性というか、ISOビジネス競争のすごさを感じさせずにはおきません。
 この機関を選択した企業の経営者は、途中で心変わりしたのですが、突きつけられた契約書の内容の厳しさに戦慄すると同時に「この契約絶対主義がISOなのか?」と、妙な教訓を受けたと話していました。この審査機関は、コンサルティングと審査をセットにする営業方法や、必ず合格させるという営業トークが問題になっています。
【審査機関の評価・格付け調査】
 ここで言う評価とは、審査機関が受審組織を審査登録する際の評価ではなく、逆に審査登録機関を評価の対象にすることです。
 著名なISO専門誌が行っている審査登録機関の格付け調査があります。審査機関の実態を窺い知ることは、初めてISOに取り組む組織にとって不可能に近いことです。そのため、この様な調査は非常に有効な情報源であるといえます。私たちコンサルタントにとっても、全ての審査機関とお付き合いをしている訳ではないから、発表の際には関心を持って眺めています。初めは受審組織へのアンケートが主体だった事もあり、評価=顧客満足調査ではないか?という疑問も有りました。安い費用や審査員の人当たりの良さ、指摘事項の少なさが組織のISO担当者の満足度を引き上げるのは容易に想像できます。初回審査を受ける組織にとっては、審査のやり方やその中身の比較ができるとは思われなかったからです。
 しかし、その後調査方法も改善され、第2回の調査発表では評価の信頼性が向上しています。前述の審査機関の成績は、評価14項目中、8項目で最下位でした。残りの項目も、最下位レベルにあり、調査の信頼性を表しています。
【避けたい審査機関】
■受審組織の経営の向上より、要求事項を優先
■審査員の教育が不十分で、バラツキが有る
■受審組織の規模・製品の精度や難度に見合ったシステム審査ではなく、ハイレベルを要求する
■審査とコンサルの同時提供で、合格を確約する
■低コスト、審査の通りやすさを売りにする
■審査員が代わると、指摘もその度に変化する
■審査実績、審査正社員の数が少ない
■資本不足や経営状態に疑問
■登録された企業が社会的に信頼されていない
■審査機関又は登録企業が問題を起こしている
■対応が、余りに営業的である
■途中解約を、契約書で厳しく制限している
■審査の際、コンサルの同席を拒む
■登録した企業がISOは簡単に取れたと言う
■逆に厳しすぎて、取得を嘆いている
■審査員の態度が、社員と社長でコロコロ変わる
■審査員が辞めて、他に移っている噂がある

柄守川我留男: この不況下でも、ISOビジネスは魅力があるようで、新しい審査機関が続々と誕生している。一般の受審組織が、審査登録機関の選択に迷うのは無理も無い。審査機関の中には目に余る営業活動や、まるで手抜き工事のごとくに審査し、合格証を差し出す審査登録機関があると聞く。一方、相変わらず大手型の厳しいシステム構築を、中小企業に要求している審査機関も存在する。ISOをビジネスとする、審査機関の収益悪化やISO9001の2000年版への移行と、昨今の審査機関のJAB認定一時停止や取消しが、審査の内容に影響しているのは間違いない。
【審査機関の認定停止】
 JABのホームページによると、過去にいくつかの審査機関に対して業務停止の指示が出ているが、審査機関の認定取消しや停止が依然として続いている。このような不祥事は、ISOそのものの信用を失墜させる。審査機関の濫立と、過当競争が原因だが、これでもまだJABの対応が甘すぎるとの指摘もある。
【病院と審査機関】
 治療や入院のため、医者や病院を選ぶときには真剣に悩むであろう。治癒の結果や命が係っているのだから当然である。医者の診たての成否や外科手術の腕は、およそ診察や手術をこなした事例の数に比例する。失敗?や経験を積むほどに、正確な処理ができ、治療の腕が上がる。安心して医者にかかりたいが、本当に腕の良い医者に巡り会うのは至難の業だし、患者には専門知識や医者の腕を見極める眼力などは無い。だから担当の医者や上司の教授に○○万円もお金を包んだりする。
 有名病院や大学病院でも、患者の取り違えや投薬ミス、技能不足の手術失敗による死亡事故などが発生している。だから、「日本の名医」「有名実力病院」などの雑誌記事や、著名な専門病院の紹介業務ビジネスが繁盛しているのだ。
 ISOの審査機関を選ぶのも同様である。医者や病院の技能や信頼性を公開し、患者に伝えるのと同じように、受審企業が安心して審査機関を選べるような評価の基準やランキングを公開することは十分に意味のあることである。
【審査機関の選定】
 ISOを取得した日本の企業は、受審する審査機関の実力や評価を深く考慮することなく選んでいる。どうしてもっと選定調査に時間をかけないのであろうか。審査機関からは、監査を受けるという"お役所"の匂いを感じるのかもしれない。他の審査機関に変更したいなどと言い出したものなら、審査官の機嫌を損ねるのではないかと危惧しているようだ。深く考えずに選定して、穏便に審査をしてもらい、指摘を出さないように出来るだけ早くお帰り願いたいのが本音なのだろうか。
 充分に調査すれば、自社に合った良い審査機関が発見できるはずであるが、受審側にも問題がありそうである。取引先の強い希望や諸々のしがらみで、審査機関を選択する自由がない企業もあるかもしれないが、迂闊な選定は重大な結果をもたらす事を考慮すべきだ。
【審査機関も千差万別】
 審査機関は国内に60社ほど存在し、審査の質や審査機関としての格付けにも玉石混交が見られるようになって来た。当然ながら、その審査方針や営業方法等に違いが出てきている。
 審査機関は国内系と外資系に大きく分類され、さらに財団型と民間企業型に分けられる。国や行政の外郭団体から派生した、財団法人などが組織した審査団体と、民間会社が出資し合って作った法人組織の審査団体である。また、外資系はヨーロッパ系とアメリカ系に大別される。
 審査機関の性格や方針が違っているのは当然であり、規格に厳しく融通が利かないのが財団型、企業の経営にあわせた審査を標榜するのが、民間企業型と外資系だと言われている。特にアメリカ系はビジネスライク過ぎる傾向にあるようだ。
【審査機関の顧客は?】
 「あなたの顧客は誰ですか?」こんな質問を審査員又は審査機関にしてみるとよい。認定機関のJABに対しても同様の質問をしてみると、興味深い回答が帰って来るのではないだろうか。残念なことに、受審企業にとっては期待した回答とはならないかもしれない。それは、大手の消費者金融会社のISOが、"顧客"を一般利用客ではなく、社内の営業部門としているもどかしさと同じだ。彼らが、利益を最も受けている相手を"顧客"としないのは、顧客の満足をどのように満たして良いのか解らないか、あるいは故意に逃げているかのどちらかだろう。
【ISOの返上】
 大きな転換期に、ISOの審査機関は差し掛かっているのでないかと感じることが時々ある。
 以前、都内のあるホテルでランチを摂った時のことである。この老舗ホテルは、歴史と格式だけでなく、ホテルで初めてISO9000を取得したことで有名だった。同業者を迎えてセミナーを開くなど、前向きな姿勢も評価されていた。ところが、しばらく前にISOを返上したという説明に驚いた。ホテルにはISOを避難するようなネガティブな発言は無く、「非常に為になった、今でも役に立っている」という説明であった。しかし、その後業界に詳しいコンサル仲間の話では、とかく形式にこだわり、複雑なシステム構築を強いたり、審査員のバラツキが有るという評判の審査機関に、ホテル側が嫌気が差したのであろうというのだ。
 企業のビジネスに、本当に役立つように使うのがISO規格の意図であったはずである。だが、審査機関が企業の経営に役立たない"理想論の解釈"を押付けることが、目立っている 。

欧木普都生: 受審企業は、審査機関を自由に選択して審査を依頼できます。だから審査機関は外注又は下請け?と同じです。外注は評価することが要求事項でした。審査機関の評価をするためには、その商品の比較をしなければなりません。では、審査機関の"商品"とは、一体何でしょうか?
【審査機関の商品】
 ISOの専門誌で、ある審査機関の営業責任者がこんなことを言っていました。「我々審査機関もサービス業です。審査機関の"商品"は審査員ですが、事前にその品質を、お見せすることが難しいのです……」審査機関も、ようやく自身がサービス産業に属することに気づいたかと思いながら記事を読みました。審査機関の一般的イメージは、審査・登録という業務から、お役所的な許認可をする組織と映る場合が多い。ISOが始まった当時、審査員を先生と呼び審査前日の接待や、指摘事項を鵜呑みにしてきた審査風景が、まるでお役所の検査か、お代官様の取調べのような風潮を当たり前としてきただけに、審査機関もようやく変わってきたんだと思われたのです。
【審査機関の商品意識】
 ところが、良く考えるとこの営業責任者は、審査員を審査機関の"商品"と発言しています。我々製造業の提供する"商品"とは、加工部品や金型であったり、技術やサービスです。けして社員を"商品"などとは思ったりしません。仮に人材派遣業や芸能プロダクションなどは"人"が"製品"との解釈もできますが、それとても、人身売買ではないのだから、求める側ではその"人"が持っている技術や資格、芸能を"商品"として買っているはずです。審査員個人の審査能力のバラツキには、審査機関は感知しないというような発言にも聞こえます。
 深謀遠慮すれば、この営業責任者は不勉強などではなく、審査そのものの質やサービスを審査機関の商品とはしたくないのではないか?と、疑ってしまいます。もしそうだとすれば、審査機関の体質は依然として何も変わっていなのかもしれません。
【JABの認定】
 IAFは組織が審査を受ける場合、基本的にその国の認定機関に認定された審査機関から受審するのが "望ましい"としています。
《IAFとは、マネジメントシステム審査登録機関や製品認証機関、要員認証機関を認定する機関の国際的組織。
International Accreditation Forum, Inc.(国際認定機関フォーラム)の略》JABのHPより
私見で言わせてもらうと、この論理はISOビジネスを仲間内で融通し合うという、都合の良い言い訳に感じられます。何故なら認定の停止や世間の評判を落としている審査機関には、JABの認定の有無とはあまり因果関係が無いからです。
【審査機関の変更】
 審査機関の変更については、以前に述べているので簡単に説明します。原則は維持審査工数の審査を受ければ、審査登録機関を変更することができます。また、3年毎の更新審査時であれば、通常の更新審査工数で審査を受ければ、審査登録機関を変更することができます。つまり、審査機関を変更することで余分な費用や面倒な手続きは必要としません。ただし、次の点に注意が必要です。
登録費用や維持審査の費用は、審査機関により違いがあるので変更後の負担増もあり得る。
前述したビジネスライクな審査機関は、契約で他の審査機関への移行を制限するという話もあるので、確認が必要です。
通常は更新審査時に移行の審査を受けることが多いようです。
ISO川柳
取営業部 少しは見習え!? あの組織
(売り上げ優先の審査機関)

さすがだな〜 名刺の裏も リバーシブル
(審査とコンサルの二重面相)
評価する! 言ったら 指摘が超過する?
(オッカナビックリ)

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