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TOP当社実績雑誌・新聞掲載>プレス技術第12回
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プレス技術連載第12回
Q. ああISOが日本を駄目にする?
ISOを始めたら、不要な文書がやたらに増えて、仕事よりもそちらに振り回される。認証したけれども、手間がかかるばかりで効果が出ない。社長は責任者任せでノータッチ。維持・管理のための費用がかさんで困る。取得しても仕事が増えない・・・・・・。当社もISOに取り組んで1年になりますが、現状は似たようなものです。このような周囲の声に反論できず、何時しか同調しそうです。このままでは会社もおかしくなるし、日本もダメになってしまうのでは、と不安になります。



藍田良雄:
世界標準は本当に正しいのか??
 日本人は他人の評判や、よその国で行なわれていることに無関心ではいられない人種のようです。他人の視線や、お隣の行動を常に観察しながら自分の行動や発言を決める事を処世術としている人もいます。多少の後ろめたさは感じながらも、改めようとはしません。西洋人のように何にでも干渉し、押し付けてくる考え方に反発し、むしろその事を日本人の美徳とすら思っているのかもしれません。
 何が「グローバルスタンダード(世界標準)」なんだ!此所は日本だ!と言いたくなる気持ちも解ります。しかし、鎖国解禁から幕末明治の文明開化、西欧崇拝の動きの中で、政治・教育体制、物質文明や科学技術を、無批判に受け入れてきた過去があります。私は、以前ISOは文化の違い≠ノ気付かなければ、本当に理解することはできないと言った事がありました。
 ISO9001や14001の規格の文書はそれほど長いものではなく、暗記してそらんじることは難しくありません。また、多くの参考書が出版され、原文と日本語訳の解説もされているので、それはそれで十分理解されているでしょう。
 でも、上辺の規格の理解やISOの最短導入法や適応事例などを勉強するよりも、この仕組みが作られてきた歴史や必然性を見直しましょう。人種、民族、言語、宗教、法律、商習慣、価値観の違いと国境を乗り越えて仕事をするためには、契約、順法の仕組みが絶対に必用です。アングロサクソンが唱えたその仕組みが世界規模で審議され、ISOとして世界標準になった事を日本人の多くは理解しながら、納得していない事実があります。だからこそ、先のような不満や嘆きの声が絶えないのでしょう。再び鎖国の時代に戻れない以上、この辺でいいかげんに覚悟を決めましょう。貴方の会社が、世界ビジネスの枠組みの影響を受けない方向を目指すか、絶対的な独創技術を開発するか、またはISOに代わる仕組みを取り入れるしかありません。
 勿論、今のISO(世界標準)は本当に正しいなどと言い切ることはできませんし、世界標準に合わせることが「進んでいる」ことでないのも事実です。
そして、世界に通用する自己主張の仕方も日本人には不得手です。日本の優れたモノづくりを支えてきた技術の伝承には「成果主義」よりも「終身雇用制」のほうが有利なようですし、良く言われる事ですが、ISOだけで品質やサービスが向上する事は有り得ません。結論的には、ISOの良い所をしっかりと理解し、日本社会や企業が持っている、優れた点に融合させるしかありません。ISOは問題点の明確化と改善が最重要であるというのに、取得の結果や維持・管理を嘆いているばかりでは、まさに愚の骨頂です。
 ところで、取得や維持の費用の件ですが、金額の多寡と効果を貴方の会社のコンピュータや工作機械などの設備導入費用、人件費と比較してみてください。ネットワーク化されたパソコンやCADの費用は、数百万円を超えます。OSやCADのバージョンアップ費用、メンテナンス費用は決して安くありません。マシニングセンターやパンチプレス、レーザーマシンは億を超えるかもしれません。その導入効果や稼働率は、いかがですか?
 機械が壊れた時の修理代も思い出してください。機械メーカーのサービスマンの技術料が15万円以上/回、日曜・祭日は割増し料金、深夜料金、交通費別途請求などは当りまえです。合計金額は結構な金額になっていることと思います。設備などのハードには、ポンとお金を出す社長さんもISOの様な目に見えない投資には懐疑的になるようですネ。
 では、人件費の対費用効果はいかがでしょうか?年功序列型で決められた役職と給与のシステムが、業績に正しく貢献しているか、いささか疑問です。
ISOよりも、それらが会社の利益を食い潰してはいませんか?


柄守川我留男超平等意識を持つ日本のISO
 
ISOが日本をだめにするのではない。ヘンに平等意識ばかり気にする日本が、世界標準の仕組みを受け入れられないのである。
 ISO9001や14001の仕事の仕組みは階層的である。階層的な組織の中の責任範囲や権限を明確にしていく。これがスタートである。ところが日本でISOを構築するときの一番の問題点である。日本人の最も悪い根っこは、物事をはっきりさせることが嫌いなことである。権限を与えられるのは好きだが、責任の所在は曖昧なほうが良いのだ。
 戦後の日本には特権階級がいなくなった。財閥が解体され、飛びぬけた金持ちもいなくなって一億総中流階級の社会が形成されている。それはそれで素晴らしいことであるし、すみやすい国かもしれない。しかし、階級社会の解消と一緒に生活レベルや教育レベルも画一化されてきた。宗教、民族・人種問題も同様である。平等意識は組織の中の緊張感を和らげると同時に、責任の所在や不具合があったときの、責任の取り方さえも忘れさせたようである。 "平等社会の曖昧な日本"には、ISOは合わないのである。
 ISOが生まれた欧米は、日本よりもはるかに社会的地位の掟が厳しい国々であり、欧米はいまだに相当な階級社会、少数エリート尊重社会である。彼らにとって階級の違いは、明確であり絶対である。フランスが「自由・平等・博愛の国」などと、本気で思っているのは日本人ぐらいであろうし、たぶん先進国の中では、日本が最も非階級社会であろう。
 階級的な西欧社会と非階級的な日本社会の、どちらが良いとか悪いとかいう議論をしようというのではない。欧米は日本よりもずっと階級社会であり、 日本は世界一の非階級社会の国であるという事実、証拠主義、契約社会と曖昧さと超平等主義の日本の社会では、ISOを導入する土壌、条件を同列に述べられないということである。
 日本の会社や組織の上下関係は、非常なフラット意識に満たされている。良くも悪くも水平に近い関係である。
確かに今の日本にも、不平等や階級は存在するかもしれない。しかし、戦後の日本はそれらが諸悪の根源として排除し続け、たとえ存在したとしても無視し続けてきたのではないだろうか。
 ISOを導入するには、まず背景にある"文化の違い"を理解したうえでなければ成功しないであろう。残念ながら、ISOが世界の標準である。そうなってしまったのである。その事実を今の日本には変える力も、努力もしてこなかった。世界の中で活動をしなければ生きていけない日本にとって、合わせるべき最低のガマンは必要だ。何時までもグダグダと、ネガティブな文句を言っているときではない。ISOの有効な部分をできるだけ利用して自分の会社と、国を善くしていくしかないのだろうと思う。
 もし、階級社会の西欧型ISOを拒否するならば日本型の"超平等で曖昧な社会のISO"を提唱し、世界に広めればよいのである。
 一年前、ある週刊誌が「ISOが会社をつぶす」という記事を掲載した。取得するための高額な費用や審査機関の不祥事を挙げて、環境と品質ISOの不要論を陳べていた。この記事が発表されて以来、記者の無知、不勉強への反論や、掲載した出版社に多数の読者が内容の不備を指摘している。この記者が 印刷会社の一つの失敗例や三重県の問題審査機関の事例だけで、ISOは役に立たないと結論づけているのは、乱暴というよりも、三流スポーツ紙並みの低レベルの売らんかなの姿勢しか見えない。 "ISOが会社をつぶす"というならば、ISOが原因で倒産した企業一覧くらいは出すべきであろう。それもせずに断定するのは公正な報道とはいえない。表題も、一般的には「ISOが会社をつぶす!?」であろうし、彼が"マネジメントシステム"という文字を全く使っていない事には、調査の不足や不勉強よりも悪意すら感じられる。本当に酷い内容の記事であり、救いは最後に西沢総研の西沢所長を登場させている事だけであった。
 仮に、これが問題提起の記事であるならば、それなりの価値は在ろうが、続編の記事が書かれたのをまだ目にしてはいない。閉鎖的といわれる日本の
マスコミの中でも、このグループの出版や放送の基本スタンスには、時として気取った文化人臭さや、超平等主義が姿を見せて、受け手に反感やイヤミを感じさせることがあり、折角合わせたチャンネルを変えさせる事がたびたびであった。
 時として、国際政治と日本の対応のズレが指摘されることがあるが、このような記事を見て溜飲を下げたり、納得したりしているようではピンボケ日本が改まることはないであろう。

欧木普都生:横並び意識と柔軟すぎる日本
確かにISOにも問題が多いのは事実です。
取得を強要する下請け苛め
不安感を煽り立て、分不相応な零細企業にまで取得を迫る大手企業と、それを利用するISO業界高額な取得の費用
画一的でベルトコンベア方式のコンサルティングや、硬直性が目立つ審査機関
あらゆる業種、何にでも応用できる普遍性を万能と思いこませる欺瞞性
経営者には弱いが、社員には手厳しい審査員
業界団体が作った審査機関に天下る、たくさんの審査員
別会社を装ったコンサル会社との連携で、確実短期認証取得を売りにする審査機関の違法性
マルチまがいの認証商法の出現
ISO認証取得の新製品≠ニ、臆面もなく新聞広告を出すメーカー
以前と変わらないのに、環境ISOを取得しただけで、地球にやさしいパチンコ屋と記事に載る

本質は国際的な標準化カルテル?
ISOを取り巻く業界や組織には多くの弊害を有していますが、ISOのシステムそのものの問題ではなく、利権と利潤を狙う人たちがトラブルを発生させているのです。
 日本はいまだに世界、特にアメリカの後を追っています。政治、文化、技術、芸能、習慣などかなりの部分がその影響を受けています。ドラッグ(麻薬)、離婚、学校中退、少年犯罪、ポルノ、暴行・凶悪犯罪など米国には悪いところもたくさん有ります。そして、5年〜10年後にその悪いところは着実に日本に上陸します。援交や幼児虐待などの未成年の犯罪急増などは、今や日本は米国に追いつき追い越しているようです。これも時代の趨勢だと諦めるのは簡単ですが、日本の悲劇は米国(世界)の良い点を見習おうとしていない事です。愛国心や組織への帰属意識、契約に基づく実行責任、順法精神や守秘義務、独立・独自精神といったものです。欧米の人たちがそれらをきっちりと守っていると言うのではありません。それらを守る事を目標とし、実行できる人物が賞賛される社会であるという点が日本と違うのです。
 何を始めるにも、まず隣や同業者の動きを見てから。でも、決して自分から率先して始めようとはしない日本の企業と、そんな横並びの発想が西欧型のISOとマッチングする訳がありません。
 そして、横並びならなんとか我慢するが、違いがあっては困るという考えが、先ほどの雑誌の記事に賛同する人たちの意見でしょう。
 また、臨界事故をおこしたJOCや雪印の食品事故などの原因や会社の体制を見ると、日本の社会や組織の弱点が象徴的に顕れている"日本的なムラ社会の事故"といえます。日本人の美徳であった従順で柔軟な仕事ぶりは、極論すると、いい加減な手抜き作業に変わるかも知れない危うさを抱えている感じがします。彼らには、規定や決まりが自分たちを束縛し、コントロールしているという自覚が薄かったのでしょう。欧米社会のように、"規則を守って仕事をすることは、契約に基づいて決められている"考えがなかったのです。だから簡単に破ることが出来たのです。
 江戸後期〜明治時代に日本を訪れた多くの欧米人が日本人の大衆が持つ矜持と礼節の高さ、教育水準に驚嘆したと伝えられています。今の日本人には愛国心をはじめ、それらがどれだけ伝えられているのか定かではありません。武士は食わねど高楊子≠フ美風?を持つ人材は、今の日本には絶滅種となってしまったのでしょうか。
――最後に、やる気の無い会社の更正法を一つ
 知らない町に行っても、ISO取得の看板を出している企業が必ずあります。でも、評判は良くないし、社員は挨拶もロクにできない。玄関にはペンペン草まで生えている。そんな会社を見かけたら遠慮なく入り込んで、いかにも親しげに話し掛けながら取得した事を褒め上げるんです。
「あ〜素晴らしい」
「ウチの町や、私の業界でもお宅は有名ですよ!」
褒めたおしておいて、サッと居なくなる。
ニコニコ笑いながら対応していた社長さんも、
「さっきの客は誰だったんだろう」
「どうも思い出せない、俺もボケが始まったか?」
以来、気になって仕方が無い。
「いやいや、まだそんな歳じゃないぞ」
「でも、やっぱり見ている人が居るからには、立派なISOになるよう頑張らなくっちゃ!」
――てな事にはならないか?しかし、日本再生のためにはこのくらいはやらないと……。

ISO川柳
責ああ不思議 ISO(嫁)の悪口言いながら 取った認証(孫)自慢する
(姑息な舅社長)
標準化? 監査の結果は また同じ
(お座なり内部監査員)

ISOの法則:選択の危険性

どんなに優秀な製品を納入する下請けが在っても、購買担当者は“他の認証取得企業”を上司に推薦する。


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