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プレス技術連載第11回
Q. リーダーの役割
当社の経営者や幹部の姿勢に疑問を持ち、悩んでいます。業務の管理遂行能力よりも、顧客や上司に追従し、お世辞を使うことが得意です。一年前にISOに取り組んだ時も、掛け声ばかりで自分では汗を流そうとしませんでした。取得した後も、殆ど担当者任せで内部監査やマネジメントレビューもおざなりです。結局、苦労して取得し、維持しているのは事務局や担当者と現場です。ISOのトップダウンの思想が生かされず、社内には不満が蓄積しています。他社でもこんなモノなのでしょうか?



藍田良雄: 
ISOのコンサルティングをしていると、いろんな経営者や管理職に遭遇します。ISOに取り組むことには同意したが、自分が関わるのは極力避けようとして、事務局が作った基本方針にサインすることと、キックオフで管理責任者や事務局への辞令を渡すだけにしたい、と思っている経営者が多いのには驚きです。勿論、なかには文書までしっかりと自分で作る、熱心な社長もいます。経営者という視点で物事を捉えているから、平社員や部課長が気付かない指摘をしたりするときは、やはり経営者としての片鱗を覗かせます。しかし、「自分の出番は認証の授与式であり、できるなら審査員の前には立ちたくない」という、身勝手極まりない経営者もいるのです。実際、コンサルティングに通う十ヶ月の間に社長と顔を合わせたのは、ほんの数回という事例もありました。このような企業のコンサルティングが始まるときには、担当者から「最初にトップ教育をお願いします」と言われることも多いので、何となく企業の体質が予感できます。
 ある企業では、社長からISOのゴーサインが出ないまま、一年前から担当者だけで勉強を行いマニュアル作成も進められていました。作成途中の文書を見ると、組織図に経営者が書き込まれていないのです。担当者の説明では、「社長は何時も不在だし、別に社長は居なくても仕事に差し支えないから」と、経営者を適用除外にしてしまったということでした。
 経営者や管理者として、重要と思われる項目をいくつか挙げてみます。いわゆる不適合な経営者や管理者の例です。
・人材育成や部下の指導ができない
・仕事を部下に任せず、何でも自分が関わらないと気が済まない。
・的確な判断力が無く、素早い決断ができない。
・自分や自部門の、失敗の責任を取らない。
・周囲や上を気にして仕事する
・「大変だ、問題だ」、と騒ぐだけ
・部下に仕事を任せない
・困難や状況悪化に直面すると逃げだす
・批判はするが行動しない
・周囲にイエスマンばかりを集める

実際に、アルバイトへの作業指示すら出来ない現場主任もいました。作業者に新しいISOシステムの確認や調整も出来ず、そのまま放置してしまう管理者も多いのです。また、進捗管理、生産管理が使いこなせずに、納期が遅れると現場作業に汗を流して、満足してしまう現場仕事好きの管理者もいます。
 ある企業の管理職の例ですが、彼は製造の現場では抜群の技能と能力を発揮し、技能士の資格も取得しました。技術部、営業技術部等どの職場でも仕事熱心で、成績は常に最上位。当然ながら同期の中でもスピード昇進し、入社後3年であっという間に品質保証課長になりました。ところが、しばらくすると管理職の業務に苦痛を感じてきたのです。彼はマネジメントが大の苦手、現場に入って仕事をしている方が力を発揮できるし、楽しいのです。結局、彼の管理能力が無かったことを見抜けなかった上司の責任でもありましょう。ISO取得後も、相変わらず現場に逃げ込んで、管理職の責務を果たさない部・課長がもらっている給料は、現場従業員のいったい何割増しになるのでしょうか?現場仕事しかやれない管理者は、その分の給料を返すべきです。
 日本人とその社会は、リーダーを育て上げる事に前向きではありません。リーダー無しでも何とか出来ると思い、有能な指導者に従おうとはしない体質があるのかもしれません。天皇や幕府、お役所に弱いのは事実です。しかし、これらは個人ではなく、力を持った組織や仕組みです。強力なリーダーを必要とせずに、ここまで繁栄してきた事実を考えると、日本の社会や組織はリーダー無しでも十分に実績を残せる人種のようです。
 結局、日本型の企業や組織の強みは、組織を構成する全体力である、ということでしょうか?



柄守川我留男: 有能なリーダーが率いる企業と、精鋭社員がそろった企業、戦略が上手い経営者と真面目な経営者、果たしてどの企業が成功し、繁栄するのだろうか?結果を予測するのは難しい。
 現実の社会では、正直で真面目な経営者は、コツコツと重ねた努力も報われずに損な役割を掴んで、運にも見放される事が多い。やはり、昔話のような結末は珍しいに違いない。結局は、アクが強くて計算高く、何でも「俺が!オレが」という性格も悪くズルイ奴が勝利を収めるのであろう。
 よく経営者のモデルに引き合いに出され、特徴的な三つのタイプから織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の名が挙がる。彼らの性格はけして善良でもなく、正直でもなく真面目でもない。他人の金を奪ったし、多数の命も奪った。騙し、脅して裏切りも平気で行っている。奇麗事を言っていては、トップリーダーにはなれないという事であろう。現代でも、国と国との間の駆け引きや、戦争行為は続いている。平和ボケしている日本人にとって、国際的な駆け引きができるリーダーの登場は、必用ないのかもしれない。
 そして「日本は外敵から侵略された事がなく、単一民族だから……」等という人が多いのだ。
 先ほどの三人の武将をはじめ、日本にも立派なリーダーはたくさんいた。しかし、本当の意味で、日本を外敵からの侵略から守り、日本国を滅亡の危機から救ったリーダーは北条時宗だけであろう。
当時、元帝国は地球上のほぼ半分を支配していた。そして、この大モンゴル帝国に攻められて勝った民族は、世界中で日本だけなのだ。執権として、全国の武士に号令してモンゴル襲来に防戦の備えをさせ、彼らの士気を鼓舞して戦った彼の決断と統率力は、まさに日本のトップリーダーである。
 しかし、50を過ぎた私が、学校で習った蒙古来襲の内容は、日本の武士が勇敢に戦い、結果的に二度の台風が神風のごとく外敵を追い払ったと簡単に説明されているだけだ。北条時宗が先頭に立った事は勿論触れているが、彼のリーダーシップや彼が築かせた防塁などには触れていなかったように思う。北九州に上陸した蒙古軍に日本軍はかなり追いつめられたのである。彼らの近代兵器の威力と彼らの手先とはいえ、朝鮮の兵に多数の日本の武士が殺された事は教えられた覚えがない。印象に残っているのは教頭だった社会科の先生が、海戦の模様と台風に覆された船から落ちたモンゴル兵が海に呑み込まれていく様子を、踊るように熱演する姿だけである。
教科書にも、蒙古襲来→朝廷を中心に挙国一致→神風→神国日本、の説明が、他の歴史や事件と同じ程度で解説されているにすぎない。
 当時、弱腰の朝廷と対立した彼の評価は英雄ではなく、逆臣に近い物だったろう。日本では「忠臣」 は実像以上に評価され、その反面、朝廷と争った人は、どんなに立派な働きをしても、正当に評価されなかった。13世紀、騎馬民族に蹂躪された欧州や中近東の各地には今も、当時の凄まじいモンゴル襲撃の爪痕があちこちに残っている。日本が南宋や高麗のようにモンゴル帝国の属国とならずに済んだのは、本当に奇跡に近い事件だったのに、以降の人たちの関心は薄い。そして北条時宗への尊敬の念も不当に低いと言わざるを得ない。彼の評価はむしろ海外の方がはるかに高いのだ。モンゴル帝国の本当の実力と恐怖を知っているからであろう。
 人間のやる気をマッチの火に喩える話がある。
自分で自らマッチを擦って火を点けるのは一割、何をしても火が点かない(やる気が起きない)人が一割、そして、火の付け方(やる気を起こす方法)を知らない人が残りの八割だという。
 だからこそ、ISO取得準備のとき、各部門から最も優秀な人材を出す(日産へのカルロス・ゴーンの1つの注文のように)必要が有るのだ。社員全員に火の起こし方から教えていては、競争に敗れてしまう。自分から発火できる人材を集めて、小さくても社内に灯を燈す事が先決だ。そして、プロジュクトを始めるときには宣誓書にサインさせ、全力を尽くしてシステム構築に協力する事を約束させるのはリーダーの最初の仕事となる。
 ISOは「業務改革である」、効果的に改革を推し進めるためには、多少乱暴な手順も必要である。役職や年功序列を無視して、若手から管理責任者やISO推進担当を選ぶのが良い。既存の悪しき枠組みを一旦解体し、そのあとに新しく良いものを創造するしかない。当然、改革には痛みや犠牲も伴うだろう。しかし、それらを怖れ躊躇っていたら、永久に改革など出来はしない。
「関係各位のご意見を聴き、ご指導を受け、社員の理解を得ながら・・・ 」などと、政治家のような姿勢や言動で、誰も傷つかずに満足な「業務改革」が出来るはずがないのだ。
 幹部の管理能力 いきなり社長になった人もいるだろうが、普通は平社員から課長、部長と昇進し、最後に社長に就任する。入社当時は有能で優秀な人材だったのに、役職が上がり、偉くなるほど人は無能になっていく。これが「ピーターの法則」である。
[ピーターの法則:階層社会にあっては、その構成員は、各自の器量に応じてそれぞれ無能のレベルに達する傾向がある] 
間離職 上司や部下に情報を伝達するだけで、自分はほとんど手を出さない
汗利職 考えるよりも行動的に仕事をこなすことを好み、現場でかいた汗の価値を過大評価する
閑裏職 いわゆる窓際族。部下や仲間から頼られることも、相談されることも、発言を求められることもない
官利職 経営者や上司、顧客には徹底服従だが、部下や下請けには虎の威を借る狐になる
棺罹職 早期退職予備軍、会社にとっての利用価値がマイナス評価の人、年功序列の会社遺産
環理職 コスト意識が薄く、企業の採算を無視してまでも環境保全活動に邁進する、趣味はリサイクルやゴミの分別と照明・冷房のスイッチ切り
鼾裏職 経営者や、上司の目の届かないところで、息抜きするのが得意
このような管理職には、できるだけ速やかに交代してもらうしかないだろう。

欧木普都生: 長くコンサルティングを経験していると、つくづく感じることですが、中小企業の経営者の方々は、何れも個性的です。
 職人型 実際の中小企業、特に小規模企業の経営者に、最も多く見られるタイプ。社長とは言っても事務所に居るより、現場に出るのを好み、仕事は汗を流すことが第一と考えている。理詰めで物事を考えたり、文書を作ることには苦手というより、体質的に反感すら覚える事もある。ISOは「取引先が言うから、仕方ねえからやるんだ」、「俺の熟練の技を文書にできんのか」てな事を言い出す。当然なことに、マネジメントレビューも審査も殆どが他人まかせ。この傾向は経営でも同様で、新たな顧客や売上が伸びない割に、堅実な経営ができているのは、番頭さんや各部門長が補佐しているから。このタイプには、ISOのメリットを理路整然と説明される事や、時代の流れで取り組まされることに強い抵抗を示す。"お得意先が要求する""売上を伸ばすため""儲けるため"と割り切らせるほうが良い?
 ガンコ型 自分自身の長い経験と苦労から割り出された人生訓を、頑なに守って崩そうとしない。仕事人としての意地や矜持を重んじ、仕事への情熱や完成度を追求する姿は立派であるが、反面他人からの提案や助言には聞く耳を持たない。ISOなどという、よく意味の分らない物に対する態度は、取り敢えず無視≠ナある。コンサルタント等という取り澄ました人種には、冷たい視線しか送らない。
 審査員から指摘を受けた場合でも、平然と首を横に振る社長もこのタイプである。とにかく、自分で一度決めたことは、間違っていると気付いてもなかなか変えられないのが難点。ISOに対応させるのに、正攻法ではまず妥協しない。お気に入りの孫娘などから「でも、おじいちゃんISOってカッチョイイネ」とでも言ってもらうか?
新しモノ好き型 新しい技術や新鋭設備の導入には積極的である。NCやCAD/CAM、パソコンのキーボードを叩く事にカッコよさを感じるエンジニア風経営者であり、創業社長よりも二代目や三代目に多く見られる。素直に新しいモノの技術や知識を吸収しようとする姿勢は前向きであり、性格も屈託がない。センスを重視する彼らは9001よりも、14001に魅力を感じているようだ。ただし、手に入れた物をいかに経営に役立たせていくかという事には、割と無関心である。ISOも取得した後には、直ぐに飽きて他人任せになる危険性が有る。
 世襲型 特徴や個性が薄い社長さんが多い。性格的には穏やかで、気の良いのが幸いして、社内的にも可も無く、不可も無くといった存在である。社長の父親から、長男という理由だけで経営を引き継いだ事に、あまり緊張感はないが、責任感も有る方ではない。幼少期に経済的な不足を経験していない事が多いためか、創業社長に見られるような貪欲さが無いのが物足りなさに感じられる。次男や三男がいる場合は、専務あるいは常務としてがんばって補佐してくれるので、あまり心配が要らない。ISOも、このような同族会社の取り組みは、割と上手くいくようである。社長がのんびりしていても、弟の専務さんがマネジメントレビューを行い、管理責任者がPDCAを回している。これではトップマネジメントではなく、徳川時代の大老政治と同じじゃないか、との指摘も有ろうが、経営層のトップマネジメントと考えれば、いかにも日本型中小同族会社のISOの典型的事例といえる。
 お任せ型 トップ(社長)が前面に出て推進する姿勢を見せない。このタイプの社長がいる企業では、システムを構築するときに、中身がなかなかまとまらないことで苦労する。社長に代わって推進する主導者(リーダー)に権限がない場合は、致命的にスケジュールが遅れてしまう。社長は、取得を決めて、後は、コンサルタントに全て任せておけば取得できるだろうという考えであり、トップが一切、関与せずという姿勢は、審査まで変わることがない。社長のやる気のなさを変えさせることは難しいから、担当者は幹部や社内の雰囲気を盛り上げながら進めていくしかない。
 コダワリ型 「ウチ(当社)の製品は、特殊な物でネ…」、「この製品はかなり複雑な工程を…」コンサルティングを始めると、こう言って自社がISOを取り組むときの困難さを訴えるが、ISOで構築するのはマネジメントのシステムであり、管理技術です。原則的にどの業界にでも役に立つ普遍的な管理面の技術です。複雑で特殊な製品を作るのは固有技術であり、企業の技術やノウハウそのものです。ISOのコンサルタントは、各社の固有技術については、助言できる部分は少ないのですが、管理技術については長年の経験によるアドバイスが可能です。いずれにしても、社長が持っている技術面でのコダワリを、管理面でも生かすことが大切です。物事は卓越した水準でやりたい、しかも独自なやり方でやりたいという考えは、成長企業の経営者に顕著です。
 一族郎党型 社員の殆どが血縁関係による縁故者で占められている。当然、社長も専務も常務も部長も同じ顔つき、同じ名前なため、外部から来た者は、時として混乱する。兄弟、姉妹、甥や姪が集まった組織は、親しい雰囲気の中で方向性が決まれば一致団結の結果が期待できるが、馴れ合いとがともすれば責任の押し付けに合いとなる危険性もある。経理部長の奥さんが裏で権力を握っていて、発言力もあるという例も多く、ISO取得の相談に行くと、かなり細かいことまで口を出してくる。取得の決断は、金庫番の奥さんに決定権があるようだ。注意しないと、マネジメントレビューにまで口を出したり、審査の際には社長に代わって答えかねないから要注意。
ワンマン型 人と接するときの態度は自信に溢れ、声が大きく、一般的に見て顔は強面である。部下に対する指示は、叱咤命令となってしまうので、相手は萎縮して詳しい打ち合わせなどできない。逆に、どんな些細なことでも社長の支持待ちでないと何も決まらない。そのくせ、ISOの打ち合わせやマネジメントレビューは、部下任せで手を出そうとしない。トップダウンをワンマンと勘違いして「ウチはもうISO体制だな」などと、ニヤニヤする社長もいる。ところが、審査の席で審査員と一戦交えると思いきや、以外にも手際良く答えたりする。割合に能力は高いほうであるから、納得すれば意欲的に動いてくれるはずである。周りにYESマンばかりを集めるワンマン経営者が多いが、それなりに部下の能力評価はしっかりと行っている。敢えて"NO"と言えるISO担当者になるのも一法である。
ISO川柳
責められて 現場に逃げ込む 管理職
(現場主義)
審査員 手なづけてこそ 経営者
(よっ!社長)
ひょっとして 私は社長? 管理職??
(一人舞台のISO担当者)

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